ガタンッ!!!と、僕は椅子を蹴飛ばしながら立上がった。
(#'A`)「私、空を飛ぶ事を有すッ!!さながらそれは鳥のようだったですッ!!」
声を張り上げ叫ぶ。
心の奥底から湧き上がる本心なる気持ちを、周りに振りまくかのように。
(*'A`)「俺はイキテルゥー!!!!!!!ヤーハー!!!!」
僕は、叫んだのだ!
('A`)は面接を失敗したようです
──時刻は昼過ぎ。某ファミリーレストランで、とある男三人が集った。
( A )「 」
( ^ω^)「…」
(´・ω・`)「…」
だが彼らは一見、一様に共通な部分が見当たらない。
何故なら、彼らの服装と雰囲気がミスマッチングすぎるためだった。
( ^ω^)「なぁ…ショボン」
そう、誰かの名を呼んだ男。彼の姿は、多少ポッチャリな体型に、所々煤汚れた青いつなぎを着こなしていた。
( ^ω^)「ドクオは…またやったのかお」
(´・ω・`)「だろうね。彼の落ち込み方がいつも通りだから」
ピザってる男から呼ばれた──ショボンという男。
明らかにブンランド物だとわかる、小綺麗なブラックスーツを見事に着こなしており、
さきほど頼んだブラックコーヒーを静かに啜っている。
(´・ω・`)「うん、不味い。もうおっぱい」
( ^ω^)「…でも、今回は異常じゃないかお?」
(´・ω・`)「そうかな?……というか今、軽くスルーしたよねブーン」
( ^ω^)「そうだったお…前の時はこんなにも目は死んでなかったお」
(´・ω・`)ショボーン
( ^ω^)「…」
(´・ω・`)「…」
そしてゆっくりと、二人の視線が、先程から全く生気の感じられない男に向けられた。
( A )「ァ…アア……ケハッ…」
それは目の焦点があっておらず、さらに体が小刻みに震える男。
ショボンの着ているスーツとは違い、真新しいツヤを持つスーツを着用している。
( ^ω^)「…ドクオ」
( A )ブツ…ブツブツ…フヒヒ
( ^ω^)「ドクオ」
( A )フヒ…ブツ…フヒヒッ!
( ^ω^)「ドクオ!」
( A )ユミタン…フヒ!…シコ…
(´・ω・`)「ふんっ」
ドコォォォオ!!
(゚A゚)オッパッピッ
(゚A゚)「カハッ!げほごほっ」
隣りに座っていたショボンのブローで、
鈍い音をたて頭をテーブルにぶつけると、ビクビクと跳ねる。
(´・ω・`)「早漏め」
(;^ω^)「いや、どう考えてもやりすぎだお…」
(´・ω・`)「これぐらいで十分だよ。……たかが就職失敗ぐらいで大袈裟なんだ」
('A`)「それは聞き捨てなりませんなっ!!」
( ^ω^)「復活はや!」
(´・ω・`)「流石だね」
('A`)「たかが就職といいやがりましたなァ…ショボンさんよぉ…」
先程まで幽霊よりも存在感がなかった彼に、
轟々と怒りの気配が膨れ上がる。
(´・ω・`)「そうだね」
('A`)「──ならばッ!!」
キラリと彼の目の奥が光る。
(#'A`)「なぜお主は働いておるッ!!
たかが就職、たかが労働、たかが国民義務だろォォォがァァァ!!?」
(´・ω・`)「生きたいから」
('A`)「だよねー」
そのままドクオは倒れ込みそうな勢いでソファに座った。
('A`)「あぁッ…俺ってばとことん駄目なヤツ…あぁッ…!」
(;^ω^)「だ、大丈夫だお。ドクオはやれば出来る子だお」
(´・ω・`)「ブーン、多分それ逆効果」
('A`)「…俺…ブツブツ…出来る…ブツ…?……ブツブツ…みんな…ブツ…同じ…?」
(;^ω^)「ち、違うお!ドクオは……ドクオは皆と全然違うお!全く!」
( A )「オレ…ブツ…ミンナトチガウ…ブツ…ヒトリボッチ…アア…」
(;^ω^)「ド、ドクオ……?」
(´・ω・`)「……どうやら彼のトラウマを開かせたようだね」
やれやれ…と、肩をわざとらしく竦めるショボン。
(;^ω^)「ど、どうしよう……」
(´・ω・`)「ほっときなよ。なにがあったかは知らないけど、彼が悪いのは確かだし」
(;^ω^)「で、でも…あんなアドバイスしたのは僕たちだお…?」
~回想~
('A`)「明日、面接なんだがなんかアドバイスある?」
( ^ω^)「うーん……まず挨拶が大切だと思うお」
('A`)「そうかそうか。ならショボンは?」
(´・ω・`)「『圧迫じゃない。向こうを圧倒させる圧倒面接だ!』」
('A`)「……は?」
(´・ω・`)「…いやね。どっかの偉い人がいった言葉」
('A`)「そ、そうなのか…
でも圧倒面接ってなんだ…意味が分からんぞ」
(´・ω・`)「そうかな?
でも面接では相手に自分を知ってもらう事が大切なんでしょ?」
(´・ω・`)「ならこの際、圧倒的に自己アピールするってことも大切だよ」
('∀`)「なわけねぇよwwww」
( ^ω^)「……確かにそうかもお」
('A`)「ぶ、ブーン…」
( ^ω^)「自分を売る事は大切だお。
そしたらインパクトは必要になってくるお」
('A`)「そ、そうか…」
('A`)「なら、頑張ってみるぜ!」
~回想オワリ~
( ^ω^)「……なんか面接でドクオが
どんな無茶したか分かる気がするお…」
はぁ…と重い溜め息をつくブーン。
(´・ω・`)「絶対『僕はここだよ!!やっふぅー!!』とか言ってそう」
('A`)「言ってねェよ!もうちょとランク下だよ!」
ガバッ!と起き上がるドクオ。
その言葉で途端に二人が静かになる。
( ^ω^)「……マジでいったのかお…」
(´・ω・`)「君、就職する気あんの?」
('A`)「……」
(;A;)「………」
(;^ω^)(泣いたッ!)
(*´・ω・`)(ドックンかぁいい…)
(;A;)「うっうっうっ……ちょっとウケを狙っただけでよ…あんな風に…クソ…」
(;^ω^)「アホだお……」
するとショボンがドクオの耳元に手を添え、口を寄せた。
(´・ω・`)「ちょっと耳かして」
(;A;)「なんだよ…ショボン…別に砒素砒素話なんてしなくても─」
耳を寄せたドクオに、ショボンの呟きが入り込む
(´・ω・`)「ワークサイドから落ちろ ワークサイドから落ちろ ワークサイドから落ちろ ワークサイドから落ちろ ワークサイドから落ちろ ワークサイドから落ちろ ワークサイドから落ちろ ワークサイドから落ちろ 」
(゚A゚)「うわぁあああぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁああああ!!!!」
(;^ω^)「い、いきなりどうしたんだおっ!?」
(*´・ω・`)「さぁ…どうしたんだろうね…」
( A )「ァ…アア……」
テーブルの下でガクガクと震えるドクオは、
もう顔が真っ青だった。
('A`)『あっ……なんか体軽くなってきた…』
何度も言うが、彼の体はテーブル下にである。
('A`)『…もう就職なてどうでもいいや…ウフフ』
('∀`)『あはははははははは───は?』
ドクオは白い光の中で、なにかの文字を見つけた。
('A`)『あれは……?』
どうやら看板らしい。
それがゆっくりとこちらに向かって来る。
('A`)『なになに……』
ようやく字がハッキリと読める距離になり、読んでみた。
そこには──
『天空職業安定所 』
(゚A゚)
おわり
お題
・ワークサイドに落ちるんじゃない!
・天空職業安定所
・「圧迫じゃない。向こうを圧倒させる圧倒面接だ!」
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