lw´‐ _‐ノv 「本日は全国的に晴れが目立つでしょう。
また、今日は風が一段と強いので気をつけましょう。
特に全国のスカートの短い女子高生!!
ハァハァ……
(*;゚ー゚)「い、以上、お天気コーナーでした」
川 ゚ -゚)風は止み君に出会うようですl从・∀・ノ!リ人
「朝よー起きなさーい!」
太陽がカーテン越しに眩しく私を照らす。
そしていつものように母の声で目を覚ます。
いつもと変わらない朝、いつものように寂しげに鳴く雀達。
でも、今日はいつもと違う。
だって、今日は―――
『クーおっはー!
今日から晴れてお互い高校生だね(^^)
友達何人できるか競争なのじゃー(≧∀≦)』
ブルブルっと、携帯のバイブレーションが鳴る。
ディスプレイに「妹者」と表示される。
それを見るだけで普段表情をあまり顔に出さない私の顔が綻ぶのだ。
『おはよう妹者。
相変わらず可愛いな。
それと言っておくが私は友達なんぞ作る気はない。
友達なんて疲れるだけだ』
早速返事を返す。
我ながら冷たい文章だ。
だが、本音を書いたまで。
友達なんてくだらない……
『まだそんな事をいっておるのか?
いい加減友達作れば学校も楽しいぞ!』
妹者は私と違って友達がたくさんいるんだろう……
中学の時、私は周りから孤立していた。
いや、周りが私を避けたのだ。
私が何をした?
私は何も……
「須名さんって何考えてるかわかんないよねー」
「てか、何あれ?上から目線じゃね?」
「私はなんでもできますってか?ちょっと調子乗ってるよね」
確かに私は人より何でもできるほうだった。
部活でやっていた陸上も特に頑張ったわけではないのだが全国まで楽にいけた。
勉強も特に何をしたわけではないが有名な進学校へ進むことができた。
何もしてない……
いや、何もしていないからこそ周りは嫉妬しているのだろうか……
じゃあ、何かしたらどうする?
お前達は手のひら返して仲良くしてくれるとでも言うのか?
くだらない……
何もしなくても何でもできた。
努力もなにもないつまらない日々がただ漠然と続いていた。
そんな時だったかな、いつも風の音が聞こえるのは……
いつも耳の奥で聞こえる風の音……
『あ~あ、妹者も同じ学校だったらよかったのに。
そうすれば毎日が少しは楽しいのかもな』
最近の私は私らしくない。
モバゲーっていうところで妹者に出会ってからずっと愚痴ばかりだ。
……まぁ、モバゲーこそ私らしくないのだがな。
ただの暇つぶしのつもりだった。
でも、そこで妹者に出会えた。
最初はうざく絡んでくるやつって認識しかなかったが
メールを続けるうちにだんだん気が合うようになってきた。
ううん、もしかして私はいつのまにか彼女に惹かれていたのかもしれない……
川 ゚ -゚)「いってきます」
久々な台詞を吐き捨て扉を開ける。
澄み切った空と満開の桜が私を出迎えてくれた。
新しい生活か…
いや、どうせまた退屈な日々がはじまるんだろうな。
はぁ、っと深い溜息が出る。
変わったことと言えば電車で遠くまで移動しなければという事か。
憂鬱で気が滅入ってしまう。
こんな顔をしていたら妹者に怒られるんだろうな。
すると携帯が鳴る。
……?
これはメールじゃない。
これは電話?
相手は……
川 ゚ -゚)「……もしもし」
「もしもし」
川 ゚ -゚)「なんでお前がここにいるんだ?」
「私がいれば毎日がたのしくなるんでしょ?」
目の前には私と同じ制服を着た小さな女の子が立っていた。
風が吹く。
どうやら春一番のようだ。
川 ゚ -゚)「妹者!!」
l从・∀・ノ!リ人「おはようなのじゃ!」
私は走り出す。
退屈な日々にお別れを言うように。
l从・∀・ノ!リ人「わぁ!!急に抱きつくんじゃない!!」
川 ゚ ー゚)「何を言ってるか、メールだともっと大胆なくせに!」
いつ振りだろう、こんなに清々しく学校へ登校するのは。
ああ、そっか…
l从・∀・ノ!リ人「どうしたのじゃ、クー?」
川 ゚ ー゚)「ううん、ただ―――
風が止んだかなって。
おしまい
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